NIPT検査で分かること
J-ラボが提供する最先端のNIPT検査
お腹の赤ちゃんの染色体の状態を、母体から採取した血液だけで詳しく調べることができます。
以下、検査会社として提供できる全ての検査項目を詳しくご説明します。
コース比較表
検査項目 | プレミアム コース |
ハイグレード コース |
セレクト コース |
スタンダード コース |
---|---|---|---|---|
料金(税込) | ¥168,000 | ¥143,000 | ¥108,000 | ¥93,500 |
基本3疾患 (13/18/21トリソミー) |
○ | ○ | ○ | ○ |
性染色体検査 | ○ | ○ | ○ | × |
性別判定 | ○ | ○ | ○ | × |
全染色体検査 (1~22番) |
○ | ○ | × | × |
微小欠失症候群 | ○ | × | × | × |
3つの染色体検査(21、18、13)
最も頻度の高い染色体異常であるダウン症候群、エドワーズ症候群、パトウ症候群を検査します。
全染色体検査(1〜22)
基本の3つに加えて、その他の常染色体異常についても包括的に検査し、より広範囲な評価を行います。
性染色体検査(性別判定)
性染色体に関連する疾患のリスクを評価し、胎児の性別も判定します。
検査会社からのアドバイス
ハイグレードコースは、基本検査に全染色体検査を追加したバランスの良いコースです。稀な染色体異常も含めて幅広くスクリーニングしたい方に適しています。全染色体検査により、基本の3つ以外の染色体異常も検出でき、より安心感を得られるコースとして多くの方に選ばれています。
3つの染色体検査(21、18、13)
妊婦健診で最も重要とされる3つの染色体異常を高精度で検査します。検出率は99%以上です。
性染色体検査(性別判定)
性染色体数の異常による疾患を検査し、同時に胎児の性別も高い精度で判定します。ターナー症候群、クラインフェルター症候群などの性染色体異常を調べます。
検査会社からのアドバイス
セレクトコースは、基本的な染色体検査に性別判定を追加したコースです。最も重要な3つの染色体異常と性染色体異常を効率的に検査できます。初めてNIPT検査を受ける方や、基本的な情報に加えて性別も知りたい方に人気の高いコースです。コストパフォーマンスにも優れています。
3つの染色体検査(21、18、13)
ダウン症候群(21トリソミー):最も頻度の高い染色体異常で、知的発達の遅れや特徴的な顔貌を示します。
エドワーズ症候群(18トリソミー):重篤な発達異常を伴う疾患です。
パトウ症候群(13トリソミー):多発奇形を伴う重篤な疾患です。
検査会社からのアドバイス
スタンダードコースは、NIPT検査の基本となる最も重要な3つの染色体異常を対象としています。これらは出生前診断において最も検出頻度が高く、臨床的意義の大きい疾患です。初めてNIPT検査を受ける方や、基本的な情報を知りたい方に最適なコースです。
ここから検査項目の詳細をご紹介
各コースに含まれる検査内容を詳しく解説します
上記でご紹介した4つの検査コース(プレミアム・ハイグレード・セレクト・スタンダード)に含まれる、それぞれの検査項目について詳しくご説明いたします。染色体異常の種類や症状、検出される疾患について理解を深めていただけます。
1. 基本の3つの染色体検査(トリソミー検査)
最も発生頻度が高く、臨床的に重要な3つの染色体異常を検査します。これらは全てのNIPT検査の基本となる項目です。
ダウン症候群(21トリソミー)
Down Syndrome / Trisomy 21
21番染色体が通常より1本多い状態で、特徴的な顔貌、筋緊張低下、知的発達の遅れを主徴とします。出生児における全体の発生率は約1/700です。母体年齢が上がるにつれてリスクが増大し、20歳で1/2,000、35歳で1/365、40歳で1/100となります。医療や療育の進歩により、多くの方が社会生活を送られています。
- 発育の遅れ、精神発達の遅れ
- 特徴的な顔貌(つり上がった目、平坦な顔立ち、鼻根部平坦)
- 心臓疾患(約50%に合併:心室中隔欠損症、房室中隔欠損症など)
- 筋緊張の低下、関節弛緩
- 消化器系の異常(約10%)
- 知能指数には幅がありますが、平均値はおよそ50です
平均寿命の中央値は約60歳まで伸びており、80代まで生存する方もいます。この20〜30年で医学の進歩により飛躍的に平均寿命が延びました。
NIPTで21トリソミー陽性と判定された場合、実際にダウン症であった割合(陽性的中率)は97.3%です。ただし、陽性的中率は年齢によって変動します(25歳:約50%、35歳:約77%、40歳:約91%)。陰性の場合は99.99%以上の確率で疾患がありませんが、1万人に1人程度の偽陰性があります。
エドワーズ症候群(18トリソミー)
Edwards Syndrome / Trisomy 18
18番染色体全長あるいは一部の重複に基づく先天異常症候群です。出生6,000人当たり1例の頻度で発生し、男女比は1:3で女児に多くみられます。21トリソミーに次いで頻度の高い染色体異常ですが、重篤な症状を伴うことが多く、約60%は胎内で死亡します。
- 重度の発育不全と低出生体重
- 重度の小頭症、後頭部突出
- 特徴的な手の形(握りこぶし状、手指の重なり)
- 重篤な心臓奇形(大部分の方に先天性心疾患)
- 呼吸器系の問題
- 腎臓や消化器の異常
- 耳介低位、変形を伴う耳介
- 揺り椅子状足底
平均生存期間は男児約1.6ヶ月、女児約9.6ヶ月です。患児の半数以上が生後1週間以内に死亡し、1歳まで生存できる割合は約13%です。しかし、医療の進歩により、新生児集中治療や心臓手術により生存期間が延びているケースも報告されるようになっています。
NIPTで18トリソミー陽性と判定された場合の陽性的中率は88.0%です。21トリソミーと比較すると精度がやや低くなります。
パトウ症候群(13トリソミー)
Patau Syndrome / Trisomy 13
13番染色体全長あるいは一部の重複に基づく先天異常症候群で、出生児の5,000〜12,000人に1人とされます。3つの基本トリソミーの中では最も稀で、重篤な多発奇形を伴います。エドワーズ症候群と同様、予後は厳しい傾向にあります。
- 重度の発育不全
- 脳の構造異常(全前脳胞症など)
- 小頭症、頭皮欠損
- 口唇口蓋裂・高口蓋
- 目の異常(小眼球症、虹彩コロボーマ、網膜異形成など)
- 重篤な心臓奇形(約80%の症例)
- 手足の異常(多指症など)
- 耳介形態異常、耳介低位、難聴
妊娠初期に高い確率で流産もしくは死産となります。80%が生後1ヶ月以内に死亡し、出産後の生存率は1ヶ月で約50%、1年で約10%です。平均生存期間は3〜4ヶ月程度ですが、医療の進歩により、新生児集中治療により生存期間が延びているケースも報告されています。
NIPTで13トリソミー陽性と判定された場合の陽性的中率は54.3%です。21トリソミー、18トリソミーと比較して陽性的中率が低いことに注意が必要です。
これら3つの染色体異常は、NIPTが最も高い精度を発揮する領域です。特に21トリソミーは母体年齢とともに発生率が上昇することが知られており、35歳以上の妊婦様には特に推奨されています。NIPTは非確定検査ですが、これらの疾患に関しては極めて高い検出率を誇り、陽性の場合は確定検査(羊水検査)へと進むことをお勧めしています。
重要: NIPTコンソーシアム(出生前検査認証制度等運営委員会)による国内101,218例の追跡調査結果に基づく、信頼性の高いデータです。陽性的中率は年齢や疾患の種類によって異なるため、陽性の場合は必ず確定検査を受けていただくことを推奨します。
2. 全染色体検査(1番〜22番)
基本の3つ以外の常染色体(1番〜22番)すべてについて、数の異常を調べます。稀ではありますが、これらの染色体異常も出生前に検出することで、適切な準備ができます。
その他の染色体トリソミー・異常
1〜12番、14〜20番、22番染色体の数的異常を検査します。これらの染色体異常は発生頻度は低いものの、以下のような疾患を含みます:
8番トリソミー
ワーカニー症候群とも呼ばれ、骨格異常、心臓疾患、腎臓異常などを伴います。
9番トリソミー
重度の発達遅滞、特徴的な顔貌、骨格異常を伴います。
16番トリソミー
心臓奇形、筋緊張低下、発達遅滞を伴う稀な疾患です。
22番トリソミー
耳の異常、心臓疾患、発達遅滞などが見られます。
全染色体検査は、基本の3つ以外の稀な染色体異常もカバーします。これらの異常は発生頻度こそ低いものの、早期発見により出生後の医療体制を整えることができます。特に不妊治療を経た妊娠や、過去に染色体異常の既往がある場合に推奨されます。
3. 性染色体検査(X・Y染色体)
性別を決定するX染色体とY染色体の数的異常を調べます。性別判定も同時に行えます。
ターナー症候群(45,X)
発生頻度:女児2,000〜2,500人に1人
X染色体が1本しかない状態。女性にのみ発症します。
- 低身長(平均145cm程度)
- 卵巣機能不全による不妊
- 心臓・腎臓の異常(一部の方)
- 知的発達は正常なことが多い
- 成長ホルモン治療で改善可能
クラインフェルター症候群(47,XXY)
発生頻度:男児500〜1,000人に1人
男性でX染色体が1本多い状態。男性にのみ発症します。
- 高身長の傾向
- 精巣の発育不全による不妊
- 男性ホルモン分泌の低下
- 軽度の学習障害(一部の方)
- ホルモン補充療法で改善可能
トリプルX症候群(47,XXX)
発生頻度:女児1,000人に1人
女性でX染色体が1本多い状態。症状は軽度なことが多いです。
- 多くの場合、外見は正常
- 軽度の学習障害(一部の方)
- 言語発達の遅れ(一部の方)
- 生殖機能は正常なことが多い
XYY症候群(47,XYY)
発生頻度:男児1,000人に1人
男性でY染色体が1本多い状態。多くの場合、症状はほとんどありません。
- 高身長の傾向
- 多くの場合、正常な発達
- 軽度の学習障害(一部の方)
- 生殖機能は正常なことが多い
性染色体異常は、常染色体異常と比較して症状が比較的軽度であることが多く、適切な医療介入により生活の質を大きく改善できます。特にターナー症候群やクラインフェルター症候群は、早期診断により成長ホルモン療法やホルモン補充療法などの治療を適切な時期に開始でき、お子様の将来の選択肢を広げることができます。性別判定も高精度(99%以上)で行えます。
4. 微小欠失症候群検査
染色体の一部が微細に欠けることで起こる疾患を調べます。発生頻度は低いですが、早期発見により適切な医療体制を整えることができます。
ディジョージ症候群
(22q11.2欠失症候群)
発生頻度:約4,000人に1人
22番染色体の一部が欠失する疾患。最も頻度の高い微小欠失症候群です。
- 心臓の奇形(特に大血管の異常)
- 口蓋裂や鼻声
- 免疫機能の低下
- カルシウム代謝異常
- 軽度〜中等度の発達遅滞
- 特徴的な顔貌
1p36欠失症候群
発生頻度:約5,000〜10,000人に1人
1番染色体短腕の末端部分が欠失する疾患です。
- 重度の知的障害
- 発達遅滞
- けいれん発作
- 心臓奇形(約半数)
- 特徴的な顔貌(平坦な鼻梁など)
- 難聴や視力障害
アンジェルマン症候群
(15q11-q13欠失)
発生頻度:約12,000〜20,000人に1人
15番染色体の母親由来の一部が欠失・機能しない疾患。
- 重度の知的障害
- 言葉の発達がほとんどない
- 笑顔が多く、よく笑う
- てんかん発作
- 運動失調や振戦
- 睡眠障害
プラダー・ウィリ症候群
(15q11-q13欠失)
発生頻度:約10,000〜15,000人に1人
15番染色体の父親由来の一部が欠失・機能しない疾患。
- 新生児期の筋緊張低下
- 幼児期以降の過食と肥満
- 軽度〜中等度の知的障害
- 低身長
- 性腺機能低下
- 特徴的な顔貌
猫鳴き症候群
(5p欠失症候群)
発生頻度:約20,000〜50,000人に1人
5番染色体短腕の一部が欠失する疾患。乳児期の泣き声が猫の鳴き声に似ていることが特徴。
- 特徴的な甲高い泣き声(猫鳴様)
- 重度の知的障害
- 小頭症
- 低出生体重
- 特徴的な顔貌(丸い顔、離れた目)
- 心臓奇形(一部の方)
ウォルフ・ハルシュホーン症候群
(4p欠失症候群)
発生頻度:約50,000人に1人
4番染色体短腕の一部が欠失する稀な疾患。
- 重度の発達遅滞
- 重度の知的障害
- けいれん発作
- 特徴的な顔貌(ギリシャ兵士の兜様)
- 心臓奇形
- 口唇口蓋裂
微小欠失症候群は発生頻度こそ低いものの、早期発見により出生後の医療体制を事前に整えることができます。特にディジョージ症候群は心臓奇形を伴うことが多く、出生直後からの医療介入が必要となる場合があります。NIPTでこれらの疾患のリスクを事前に評価することで、出産施設の選択や新生児科医との連携など、適切な準備が可能になります。
重要な注意: 微小欠失検査は、他の検査項目と比較して偽陽性率がやや高いため、陽性の場合は必ず確定検査(羊水検査)での確認が必要です。
本ページの医学的データは、以下の信頼できる情報源に基づいています:
【公的機関・学会】
• 出生前検査認証制度等運営委員会「NIPTを受けた10万人の妊婦さんの追跡調査」(101,218例)
• 小児慢性特定疾病情報センター(厚生労働省委託事業)
• 国立成育医療研究センター
• 日本小児科学会
• MSDマニュアル(プロフェッショナル版・家庭版)
• 大阪大学医学部附属病院 胎児診断治療センター
【データ時点】
統計データは2021年〜2025年時点のものです。医学は日々進歩しており、予後や治療法は改善されています。
【詳しい情報はこちら】
• 出生前検査認証制度等運営委員会: https://jams-prenatal.jp/
• 小児慢性特定疾病情報センター: https://www.shouman.jp/
NIPTは非確定的検査(スクリーニング検査)です
【陽性の場合】
• 陽性の結果は「可能性が高い」ことを示しますが、確定診断ではありません
• 陽性的中率は妊婦さんの年齢や疾患の種類によって異なります
• 羊水検査などの確定検査を受けることを推奨します
• 偽陽性(実際には疾患がない)の可能性があります
【陰性の場合】
• 99.99%以上の確率で疾患がないことを示します
• ただし、1万人に1人程度の偽陰性(実際には疾患がある)があります
• 陰性でも100%疾患を否定できるわけではありません
検査結果についてご不安な点がございましたら、専門のスタッフが丁寧にご説明いたします。
当ラボが提供するNIPT検査は、上記すべての項目について最新の技術を用いて高精度な検査を実施しています。検査は母体血中の胎児由来のDNA断片を次世代シーケンサーで解析する方法で行い、母体や胎児へのリスクは一切ありません。
重要な点として、NIPTはあくまで「非確定的検査(スクリーニング検査)」であることをご理解ください。陽性という結果が出た場合、それは「可能性が高い」ことを示していますが、確定診断ではありません。陽性の場合は羊水検査などの確定検査を受けていただき、最終的な診断を行うことをお勧めしています。
私たちは単に検査結果をお伝えするだけでなく、結果の解釈まで、妊婦様とご家族に寄り添ったサポートを提供しています。どのような結果であっても、専門のスタッフが丁寧にご説明し、ご不安にお答えします。