トリソミーとは?種類やそれぞれの特徴について解説 | 新型出生前診断(NIPT検査)のJLab
トリソミーとは?種類やそれぞれの特徴について解説
染色体異常のひとつである「トリソミー」は、胎児の発達や生存に大きな影響を与える可能性がある遺伝的な変化です。妊娠中に行われるNIPT(新型出生前診断)でも、特に注目されるのがこのトリソミーに関する検査です。本記事では、トリソミーの基本的な仕組みから代表的なタイプごとの特徴、検査方法までをわかりやすく解説します。
Contents
トリソミーとは
人間の身体は46本の染色体、つまり23対の染色体から成り立っています。そのうち22対は常染色体、残り1対は性別を決定する性染色体です。通常、染色体はそれぞれが2本1組で存在していますが、何らかの原因で1本多くなってしまい、合計3本となる場合があります。これが「トリソミー」と呼ばれる状態です。
余分な染色体が加わることで、身体の発達、臓器の形成、知的な成長などに影響が出る可能性が高まります。トリソミーの種類によっては、胎児の生命維持が困難になり、妊娠初期の流産や死産につながることもあります。一方で、生まれたあとも長期的な医療的ケアを必要とするケースもあります。
NIPTで調べられる3つの主要なトリソミー
NIPTでは、特に出生に至る可能性がある以下の3つのトリソミーを主な検査対象としています。
21トリソミー(ダウン症)
21番染色体が1本多くなることで発生するダウン症は、最もよく知られているトリソミーの一つです。日本では約500人に1人の割合で見られます。出生時の診断で最も多く確認される染色体異常であり、特徴的な顔立ちや筋肉の緊張の低下、発達の遅れなどが見られます。知的障害の程度には個人差がありますが、早期の療育や医療的サポートによって生活の質を高めることが可能です。
平均寿命も60歳を超えるようになっており、医療や福祉の進展により社会参加の機会も増えています。
18トリソミー(エドワーズ症候群)
18番染色体のトリソミーによって起こるエドワーズ症候群は、胎児期から重度の発育障害や複数の臓器異常を引き起こします。心臓や腎臓の先天異常、小顎症、手足の変形などが見られ、出生に至る確率は高くありません。出産しても、生後1年を超えて生きることは非常にまれで、生存率は10%未満とされています。
母体の年齢が高くなるにつれて発生率は上昇する傾向があり、40歳以上の妊婦ではリスクが大きくなります。
13トリソミー(パトウ症候群)
13番染色体が3本になることで発症するパトウ症候群も、胎児期から多くの合併症を伴うトリソミーです。重度の心疾患、脳の構造異常、多指症、小眼球、口唇口蓋裂など、外見にも内部器官にも明確な異常が見られます。
多くは妊娠中に流産となり、出生できた場合でも1年以内に亡くなるケースがほとんどです。こちらも高齢妊娠との関連性が強く、出生後も継続的な医療支援が必要です。
性染色体トリソミーの例
性染色体のトリソミーには、女性の「XXX(トリプルX症候群)」や、男性の「XXY(クラインフェルター症候群)」「XYY(XYY症候群)」などがあります。これらは常染色体トリソミーに比べると、症状が軽度であることが多く、生殖能力や学習面に影響が出ることはありますが、診断されないまま成人するケースも珍しくありません。
外見的な特徴が乏しく、通常の生活を送れる人が多いことから、出生後に検査をして初めて判明することもあります。
なぜNIPTでは13・18・21トリソミーが対象なのか?
NIPTで検出される主なトリソミーが13・18・21番に限られている理由は、これらの染色体が比較的遺伝子数が少なく、発達に関わる致命的な情報が少ないためと考えられています。他の染色体では、1本余分になることで生命活動を維持することが極めて難しく、妊娠継続が不可能な場合が多いため、出生の可能性がある13・18・21トリソミーに検査の焦点が絞られているのです。
トリソミーを調べる検査の種類
トリソミーを調べる検査の種類は次のとおりです。
NIPTをはじめとするスクリーニング検査
NIPT(新型出生前診断)は、母体の血液から胎児のDNAを解析し、染色体異常の有無を非侵襲的に調べる検査です。精度が非常に高く、妊娠10週以降であれば検査が可能で、陽性だった場合は羊水検査などで確定診断を行います。このほかにも、血清マーカー検査やコンバインド検査といったスクリーニング手法がありますが、NIPTに比べると精度はやや劣ります。
確定診断ができる検査
染色体異常を確実に診断するためには、羊水検査や絨毛検査が必要です。これらは子宮内から直接細胞を採取して染色体を分析する方法であり、診断の信頼性は高い一方、流産のリスクが一定程度伴います。どの検査を選ぶかは、妊婦さんと家族の希望、医師との相談によって慎重に決めることが求められます。
まとめ
トリソミーとは、染色体が通常より1本多くなることによって引き起こされる遺伝的な異常であり、出生に至るものとしては21、18、13番が代表的です。NIPTではこれらを中心に検査が行われ、妊娠初期の段階からリスクの有無を把握することができます。
赤ちゃんの染色体異常が気になる方や、妊娠をより安心して迎えたいと考える方には、JLabのNIPT(新型出生前診断)がおすすめです。妊娠10週目から受けられ、母体の血液だけで高精度な検査が可能なため、身体への負担が少なく、多くの妊婦さんに選ばれています。