NIPTとは?
(Non-Invasive Prenatal genetic Testing)
NIPTはおなかの中の赤ちゃんが染色体疾患をもつ可能性をみるための検査です。
JLabでは、ダウン症・18トリソミー・13トリソミー・全染色体・性染色体異常・微小欠失・性別判断の検査が可能です。
NIPTの特徴
赤ちゃんへの
リスクはありません
検査の推奨期間
検査精度について
羊水検査、絨毛検査は妊婦さんのお腹に針を刺すため、感染や出血が起きることがあります。羊水検査は0.3%の割合で流産のリスクがあると言われ、絨毛検査は1%の割合で流産のリスクがあると言われています。
NIPTは妊婦さんの腕からの採血で検査ができるため、流産のリスクがなく安全な検査と言えます。
10~14週です。
JLabでは妊婦さんの負担や検査の正確性、妊婦さんの血液中に循環している胎児由来の遊離したDNAが検査に必要な量がある時期となる10週以降の採血で検査を行っております。
検査結果が出るまでに約10~14日を要し、「陽性」であった場合に、確定検査を希望される場合を考慮すると遅くとも妊娠15週までの検査を推奨しております。
感度は、実際に疾患を持つ人を正しく陽性と判定できる割合を示します。 特異度は、実際に疾患を持たない人を正しく陰性と判定できる割合を示します。 これらの確立が大きいほど精度は高くなります。
21トリソミーに関しましては、NIPTは感度99.9%、特異度99.9%の検査精度ですので、赤ちゃんに染色体異常症の可能性があるかどうかを正確に発見することができます。
検査目的
NIPT は 21 トリソミー、 18 トリソミー、13 トリソミーの
染色体疾患の可能性がわかります
実は、生まれて来る赤ちゃん100人中3~5人ほどは先天的な疾患をもって生まれてきます。
この中で染色体が原因の疾患は約25%で、NIPTの検査対象である3つの染色体疾患は、さらにその約70%です。
このことを計算してみると、3つの染色体疾患のある赤ちゃんは100人あたり0.7人程度となります。
また、妊婦さんの年齢が上昇すると、トリソミーをもつ赤ちゃんの出生頻度が高くなることが明らかになっています。ただし、それ以外の染色体疾患では、その影響は明らかではありません。
(Thompson & Thompson Genetics in Medicine 8th Edition Saunders 2016; Wellesley D, et al. Eur J Hum Genet 2012: 20:521)
21 トリソミー、18 トリソミー、 13 トリソミー以外の疾患はわかりません
21番、18番、13番以外の常染色体に数の異常がある受精卵はほとんどが流産するか、もしくは妊娠に至りません。
そのためひとつひとつの病気の発生率が低いうえに感度が低く(検査の見逃しが多い)、陽性的中率も低い検査となります。そのため、NIPTで陽性と出たとしても、そこから羊水検査に進み、その疾患が確認される確率は相当に低いと推定されます。
出生前診断検査の紹介
注意事項
妊婦さんの血液中に浮遊しているcfDNAのうち約10%が赤ちゃん由来(正確には胎盤由来)です。そのため、NIPTは精度の高い検査ではありますが、染色体疾患の可能性の高さを判定しているにすぎません。検査結果が「陽性」の場合には、疾患がある可能性が高いということです。しかし、実際には病気がない場合(偽陽性)もあるので、確定診断を行うには羊水検査などの追加検査が必要となります。「判定保留」の場合には、その後の対応について再度相談する必要があります。
染色体とは?
多くの人の染色体は46本で、常染色体(1~22番染色体)のペアと、性別によって異なる染色体(X・Y染色体)のペアからなっています。染色体には多くの遺伝子(ヒトの体や働きの設計図)が詰まっています。
染色体に数や形の変化が起こると、成長や発達に影響を与えたり、生まれつきの病気や体つきの特徴をもつことがあります。
「トリソミー」とは本来2本(ペア)である染色体が、3本ある状態で、例えば21トリソミーとは、21番染色体が3本ある状態のことです。「トリ」とは3をあらわします。
検査コースと項目
21 トリソミー ( ダウン症 )
- 一般的に、600~800 人に 1 人の割合で出生すると言われています。
- 生後の身体や言語の発達は全体的にゆっくりですが、適切な生育環境 ( 療育など ) によって成長発達を促すことがあります。
- 心疾患、消化器系疾患などの病気をもつ場合があります。
- 学齢期は地元の学校や特別支援学校に通っています。
- 大人になると生活介護が必要になることもありますが、行政によるサポートを受けながら地域の中で生活する方も多く、生涯に渡ってさまざまな支援サービスが用意されています。
- 小児慢性特定疾病(P7下サイト参照)に認定されており、医療、福祉、当事者のコミュニティなどのサポート体制があります。
- 各地には親の会やサークル活動などの情報交換の場があり、福祉のサポート体制も整っています。
18 トリソミー ( エドワーズ症候群 )
- 一般的に 4000~10000 人に 1 人の割合で出生すると言われています。
- 妊婦健診で行われる超音波検査で赤ちゃんの発育不全や心疾患、消化器系疾患、四肢の形態変化などを認めることからみつかることがあります。
- 複数の病気を持って生まれてくることがあり、呼吸や哺乳のサポートなど、生後早期に医学的な管理が必要になることがあります。
- 心疾患や呼吸不全などの病気のため、生後早期に亡くなることがあります。一方、積極的な医療介入により生命や生活の見通しが改善すると報告されており、一部で長く生存して成人を迎える方もいます。
- 運動面・知能面での遅れを示しますが、医学的な管理を継続しながら特別支援学校等に通学し、成長と共にゆっくりと発達をとげます。
- 小児慢性特定疾病(P7下サイト参照)に認定されており、医療、福祉、当事者のコミュニティなどのサポート体制があります。
- 一般的に 5000 人~10000 人に 1 人の割合で出生すると言われています。
- 妊婦健診で行われる超音波検査によって心疾患、中枢神経、消化器系疾患の病気、身体の形態変化などで見つかることがあります。
- 複数の病気を持って生まれてくることがあり、呼吸や哺乳のサポートなど、生後早期に医学的な管理が必要になることがあります。
- 心疾患や呼吸不全などの病気のため、生後早期に亡くなることがあります。一方、積極的な医療介入により生命や生活の見通しが改善すると報告されてきており、一部で長く生存して成人を迎える方もいます。
- 一人で歩いたり、言葉を話せるようになることは稀ですが、ゆっくりと成長・発達します。
- 小児慢性特定疾病(P7下サイト参照)に認定されており、医療、福祉、当事者のコミュニティなどのサポート体制があります。
- 出生女児の約1000人に1人と推測されます。
- 症状として、【手背および足背の著明なリンパ浮腫】【頸部背面にリンパ浮腫】【翼状頸】【乳頭間離開】【陥没乳頭】【低身長】などがあげられます。
XXY症候群(クラインフェルター症候群)
- 出生男児の約500人に 1 人と推測されます。
- 症状として、【学習障害】【長い腕と脚】【小さな精巣】【不妊症などがあげられます。】
XYY症候群(ヤコブ症候群)
- 出生男児の約1000人に1人と推測されます。
- 症状として、【学習障害】【注意欠如・多動症(注意欠陥/多動性障害】などがあげられます。<
XXX(トリプルX症候群)
- 出生女児の1000人に1人と推測されます。
- 症状として、【学習障害】【高身長】【低体重】【 瞳孔間】などがあげられます。
- 発症頻度は4000~6000人に 1 人の割合で出生すると言われています。
- 症状として、【免疫不全】【副甲状腺機能低下症(低カルシウム血症)】【先天性心血管系異常】【口蓋顔貌異常】などがあげられます。
1p36欠失症候群
- 発症頻度は5000~10000人に 1 人の割合で出生すると言われています。
- 症状として、【成長障害】【重度精神発達遅滞】【難治性てんかん】などがあげられます。
アンジェルマン症候群/プラダー・ウィリ症候群(15q11-q13)
- 発症頻度は15000人に 1 人の割合で出生すると言われています。
- 症状として、【重度の知的障害】【てんかん】【失調性運動障害】【ちょっとしたことでよく笑う】【とがった顎や大きな口】【睡眠障害】などがあげられます。
猫鳴き症候群(5p欠失症候群)
- 発症頻度は15000~50000人に 1 人の割合で出生すると言われています。
- 症状として、【出生体重2500g以下】【成長障害】【甲高い猫のなき声のような泣き声】【小頭】【丸顔、眼間開離】【小顎】【内眼角贅皮】【耳介低位】などがあげられます。
ウォルフ・ヒルシュホーン症候群(4p欠失症候群)
- 発症頻度は50000人に 1 人の割合で出生すると言われています。
- 症状として、【頭部・顔面非対称】【難聴】【眼瞼下垂】【視神経異常】【歯牙異常】【先天性心疾患】【唇裂口蓋裂】【性腺・腎尿路障害】【脳形態異常】があげられます。